大阪府と大阪市が誘致を進める統合型リゾート(IR)建設予定地の土壌対策費用を巡り、元市議ら市民5人が行っていた事業者との定期借地契約の締結の差し止めを求めた住民監査請求について、市の監査委員は意見が一致しなかったとして「合議不調」との結果を通知しました。
この通知を受け、市民側は今後、住民訴訟をする方針です。
建設予定地の人工島・夢洲では、液状化リスクや土壌汚染が発覚。市は事業者の要望に応じ、対策費として約790億円の負担を決めています。
市民側は、事業者と市が結んだ基本協定では追加の対策費が生じた場合、市が負担する内容になっており、
建設予定地の土壌対策費を市が負担するのは、過大な支出を制限する地方財政法に違反していると主張しています。
監査委員では、「市の負担は限定されており、無制限に増加するとは認められない」と主張する委員と、「地盤沈下は確実に発生し、市が無制限に費用を負担せざるを得ないことになる」と主張する委員の意見が折り合わなかったとして、市民らへ「合議不調」の結果を通知しました。
市民側は、代理人の荒木晋之介弁護士は「しっかりとした結論を出して欲しかった。住民訴訟を起こす」としています。