長崎県が計画していたIR統合型リゾート施設の認定が、国土交通省によって見送られました。
この記事では、その理由や影響について説明します。
長崎県のIR統合型リゾートが認定されず
長崎県が計画していたIR統合型リゾート施設とは、ハウステンボスの敷地に、カジノ施設のほか、国際会議場や宿泊施設、ショッピングモールなどを建設する構想でした。
国土交通省は2023年12月27日、この計画を認定しないことを発表しました。
審査をした有識者委員会は、長崎県の計画に対し、以下の理由から認定を見送りました。
- 4383億円と試算していた資金調達の確実性を裏付ける根拠が十分でない
- カジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパンを中核株主とする事業者にIRの運営実績が乏しい
- 事業の継続性や治安悪化への懸念
長崎県知事の大石賢吾氏は、認定見送りについて「極めて遺憾。現時点で納得できない」とコメントしています。
また、長崎県は、候補地の追加募集があれば再申請する意向を示していますが、国土交通省は「現時点では未定」としています。
地元住民の反対も要因か?
長崎県のIR統合型リゾート施設の認定見送りには、地元住民の反対も要因となったと見られます。
長崎県は、国の認定を受けて2027年秋ごろに開業し、開業から5年目で区域全体を673万人が訪れると見込んでいました。
しかし、地元住民からは、カジノの誘致による治安悪化や、観光客の増加による交通渋滞などの懸念の声が上がっていました。
国土交通省は、認定にあたっては地域住民の理解や協力が必要だとしており、長崎県が地元住民と十分な説明を行っていなかったことも、認定見送りの要因となったとみられます。
今後の展望
長崎県は、IR統合型リゾート施設の認定見送りを受け、「認定されなかったことは残念だが、IRを含めた観光振興に向けて取り組んでいく」とコメントしています。
しかし、国土交通省が示した認定条件を満たすためには、資金調達の確実性の向上や、地元住民の理解や協力の獲得など、課題は少なくありません。
長崎県がこれらの課題を克服し、再びIR誘致を目指すことができるかどうか、今後の動向が注目されます。